電磁界は小児白血病の原因とは証明されていません。
超低周波の磁界が私たちの健康にどのように影響するのか、世界各国の研究機関で調査されていて、日本でも1992年から詳細に調査されています。
その中には、「平均0.4μT以上の超低周波の磁界を浴び続けるような環境下で生活すると小児白血病のリスクが2倍になる」(スウェーデンの調査)といっ た1993年の研究結果があり、その後もいくつかの研究報告がありますが、WHO(世界保健機関)やIARC(国際がん研究機関)は、さらなる、研究の推 進を提言しています。
しかし疫学研究だけでは、小児白血病の原因であると証明することはできません。
小児白血病はがんの一種ですが、ネズミ(マウスやラット)などの実験動物や、培養した人間の細胞、血液、遺伝子などを用いて実験します。
こうした実験研究は、日本を含め世界中で20年以上にわたって行われてきました。国際がん研究機関(IARC)は、世界中の専門家が検討して、送電線からの磁界の発がん性は「グループ2B」と判定しました。
2Bとは
「疫学研究からは発がん性の疑いはあるが、実験研究では証明されていない」
という分類です。2Bと判定されたものには、コーヒー、ガソリンエンジン排ガス、ある種の漬物なども含まれています。
このような研究と検討結果から、2007年6月に公表された世界保健機関(WHO)の報告書では、電磁界の発がん性について「小児白血病に関連する証拠は、因果関係とみなせるほど強いものではない」と述べられています。
日常の生活で、私たちの身のまわりにある電磁界が健康へ影響を及ぼす可能性は低いということがうかがえます。もちろん、「0.4μT」という値も、「0.4μT以上は危険」という意味の値ではないのです。必要以上に怖がることはありません。